食品および飲料分析

食品および飲料分析を行う上でありがちな問題や課題

1. 分析結果のばらつき
   
   食品中の化学物質の濃度は、分析方法や機器、試験者の経験値、測定環境によって異なるため、同じ試料でも結果がばらつくことがあります。
   
   この課題については、「分析結果のばらつきを抑える！信頼性の高い分析をするためのポイント」にて解決策を探っていきます。
   
   
2. 前処理の難しさ
   
   食品の前処理は非常に重要で、適切に行わないと分析結果に影響を与えます。特に、成分が不均一な食品では、代表的なサンプルを採取することが難しくなります。最近では前処理不要の分析機器も登場しています。
   
   食品粉体を乾燥状態で直接投入できる粒子径分布測定装置マスターサイザー3000+ Aero M
   
   
3. 微量成分の測定
   
   微量の物質を測定する際、濃度が低いほど分析値のばらつきが大きくなり、正確な測定が難しくなります。マルバーン・パナリティカルには、測定に必要となる分散媒の量が7 mLと非常に少量でも粒子径分布が測定できる製品があります。
   
   小容量対応湿式分散ユニットマスターサイザー3000+ Hydro SV
   
   
4. 真値の不確実性
   
   食品中の成分の「真値」は定められておらず、分析値はあくまで推定値に過ぎません。このため、分析結果の信頼性を評価することが難しくなりがちですが、マルバーン・パナリティカルの製品は、「得られた結果の確からしさ「測定結果に確証を持ちたい」という課題を解決するためのソフトウエアを搭載した製品「 マスターサイザーシリーズ 」や「 ゼータサイザーシリーズ 」があります。
   
   
5. 技術の進化への対応
   
   新しい分析技術や機器が次々と登場する中で、それに適応するための継続的な学習やトレーニングが求められます。
   
   マルバーン・パナリティカルは、新しい技術を導入する際の不安を軽減するために、充実したサポートを提供しています。
   
   新しい担当者でも、装置の使い方やソフトウエアを迅速に習得し、業務に活かすことができます。
   
   マルバーン・パナリティカルは、外資系企業に抱きがちな「サポートが適当」というイメージを払拭します。

分析結果のばらつきを抑える！信頼性の高い分析をするためのポイント

食品分析において、測定結果のばらつきは製品の品質や安全性に対する信頼に関わる大きな課題です。ここでは、信頼性の高い分析をするためのポイントを紹介します。

1. 標準化された手法の採用
   
   信頼性の高い測定を行うためには、国際的に認められた標準化された手法を使用することをおすすめします。そうすることで、異なるラボや試験者間での結果の一貫性が確保されます。例えば、ISO規格に基づく分析方法を選ぶことで、信頼性が向上します。
   
   マルバーン・パナリティカルの製品は、ISO 9001品質管理システム要件への準拠に応じたポリシーに基づいています。

2. データの統計解析
   
   データの分布や標準偏差を分析することで、測定のばらつきの原因を特定し、改善策を講じることができます。

   マルバーン・パナリティカルの製品には、個々の測定結果に「データの品質」概要を付け、ユーザーが安心して結果を検証できるようアシストしてくれる機能がある製品があります。 例えば、マスターサイザー3000+は、可能性のあるデータ品質の問題は、その場でフラグが立てられ、原因と解決案が表示されます。 繰り返し測定の際には再現性(RSD%)がISOの推奨範囲に合致しているかもソフトウエアが評価する機能を搭載しています。

   また、 マスターサイザー3000+ は、経験値の差が測定結果に反映されてしまうという問題にも対応しています。

   
   
3. 適切な分析機器の選定
   
   分析機器の性能は、測定結果に直接的な影響を与えます。分析したい食品に合う分析機器の選択はもちろん、より高精度の機器を選ぶことで、測定のばらつきを最低限に抑えることができます。

• 分析したい食品に応じたマルバーン・パナリティカルの分析機器はこちら。
• 分析したい内容に応じたマルバーン・パナリティカルの最新技術はこちら。

分析プロセスの自動化で効率的なプロセスを構築

信頼できる食品分析をするためには、効率的なプロセスの構築は重要です。

マルバーン・パナリティカルは、分析プロセスの自動化をサポートするソリューションを提供しており、作業の効率化と品質管理の強化を図ることができます。

例えば、 マスターサイザー3000+ULTRA では、ソフトウエアにメソッド(測定条件)最適化を支援する新しいAIプログラム、「SOPアーキテクト」を搭載しています。各条件の自動変化試験と安定性確認、動画によるガイダンスにて、ユーザーが自信を持てる測定手順の設定をサポートします。

食品および飲料分析技術

Malvern Panalyticalは、このセクターで使用される以下のような多くの主要な分析技術を提供します。

• 食品中の栄養素、ミネラル、微量元素を監視し、食品の信頼性や汚染を確認するための蛍光X線
• ナノメートルからミリメートルまでの粉末、エマルジョン、分散液のサイズを測定する粒度分布測定装置
• 多糖類とタンパク質の分子量と分子構造を決定するクロマトグラフィー
• 食品および飲料製品の結晶構造解析のためのX線回折
  
• 固体成分の粒子径、形状、化学的性質を評価するための形態学的イメージングと化学的イメージング
• 分散液とエマルジョンの安定性を予測および最適化するゼータ電位分析
• 脂肪、タンパク質、水分、砂糖、でんぷんの含有量、およびブレンドの均一性を分析する近赤外線分析法

Malvern Panalyticalは、食品および飲料の生産業務を監視および制御するための一連のインラインおよびオンラインプロセスソリューションも提供します。