XRF - 蛍光X線分析とは?蛍光X線分析の原理について

サンプルにX線を照射して発生する固有の蛍光X線を測定することで構成されている元素を分析することです。

XRF - 蛍光X線分析とは?蛍光X線分析の原理について

WDXRF:波長分散型蛍光X線分析装置

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Zetium(ゼティウム)  2.4KW, 3KW, 4KW

  • オールインワン設計・波長分散型XRF
  • 高感度・高分解能モデル
  • 波長分散機能以外にEDXRFやXRD、マッピング機能選択可能
  • AIを使用した分析条件作成サポート

EDXRF:エネルギー分散型蛍光X線分析装置

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Epsilon1(イプシロン1)

  • コンパトエネルギー分散型XRF
  • PC内蔵でオールインワン設計
  • 1サンプルあたり100円未満の分析コスト
  • 現場に持ち込むなど高いモバイル性

蛍光X線分析(XRF)の原理

蛍光X線分析(XRF)とは、測定サンプルにX線を照射して発生する固有の蛍光X線(波長:λやエネルギー:KeV)を測定することで構成されている元素を同定(組成分析)し、その構成される元素の含有量を分析(定量分析)可能な分析技術です。

分析可能なサンプル形態は、固体、粉末、液体、スラリー、フィルムなどほぼ全ての形態を前処理なし(非破壊)に測定可能で、測定元素範囲もベリリウム(Be)からアメリシウム(Am)と広範囲で、定量分析(含有量分析)もppmレベルから100%です。

蛍光X線分析(XRF)装置の動作原理

蛍光X線分析装置の基本的な構成要素は励起源、サンプル、および検出器です。励起源は、試料サンプルにX線を照射し、検出器からのX線を測定します。

励起源には一般的にX線管球が使用されます。装置は、エネルギー分散型蛍光X線分析装置(EDXRF)波長分散型蛍光X線分析装置(WDXRF)の2 種類に分けられます。2 つのシステムの違いは、検出方法の違いにあります。

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エネルギー分散型蛍光X線分析装置-EDXRF(左)および波長分散型蛍光X線分析装置-WDXRF(右)装置の基本構成

蛍光X線分析(XRF)の主な用途

蛍光X線分析(XRF)の特長として、サンプルの前処理が不要なこと以外に、人為的な誤差がなく、装置も長期に安定していることから、あらゆる業界(石油、石油化学、鉱業、地質学、セメント、ガラス、食品や医薬品など)のお客様の工程管理や品質管理に使用されています。

また、蛍光X線分析(XRF)は長い歴史を持った分析手法ですので、国際的な試験法(ASTM、ISO、EPA、JIS、ICH-Q3D、UPSなど)に準拠しています。最近では蛍光X線(XRF)分析装置の測定迅速性から、スクリーニングツールとして、研究開発やRoHS/RoHSⅡ/ELV指令対応のための受け入れや出荷検査などにも応用されています。

蛍光X線分析(XRF)分析で得られるスペクトル例

以下は、エネルギー分散型蛍光X線分析装置(EDXRF)で測定したニッケル鉱石のスペクトルを示します。分かりやすいピークプロファイルが測定されました。ピークの位置をもとに試料中に構成する元素を同定し、ピークの強度でその濃度を決定します。
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エネルギー分散型蛍光X線分析装置(EDXRF)  Epsilon4(イプシロン4)  で測定したニッケル鉱石のスペクトル

コンパクトで高感度に測定できるED-XRFはこちら

蛍光X線分析(XRF)によるの測定事例【アプリケーションノート】

マルバーン・パナリティカルのXRF(蛍光X線)分析装置による測定事例をご紹介します。リンクをクリックして、資料をダウンロードしてご覧ください。

* Axios mAX(アクシオス・マックス)は販売終了しました。WDXRFをお探しのお客様は、Zetium(ゼティウム)をご覧ください。

Epsilon 4

高速で正確なアットラインの元素分析
Epsilon 4

Zetium

高性能床置き型 WDXRF 分光計
Zetium

研究開発

XRFは、材料の研究開発において極めて重要な役割を果たしています。

  • 材料科学: 研究者は、元素組成を正確かつ精密に分析することで、材料の特性を研究し、新しい化合物(触媒やコーティング材料など)を作成します。
  • 半導体業界: XRFは、チップ製造に使用材料の純度と組成を保証することで、最先端の半導体開発に貢献します。
  • 芸術と考古学: XRFは、修復家や考古学者が顔料、陶器、アーティファクトを分析し、その起源と真正性を明らかにするお手伝いをします。

医薬品および医療

医薬品および医療分野でも、XRFはさまざまな用途に使用できます。

  • 医薬品分析: 医薬品の品質と安全性を検証し、ICH-Q3Dに準拠した厳格な品質基準を満たしていることを確認します。XRFは、より労働集約的なICPおよびAAS法でサンプルを分析する前のクイックスクリーニングツールとしても使用されます。 
  • 生物医学研究: XRFは、生体サンプル中の微量元素の研究を支援し、病気や治療に関する洞察を提供します。

研究開発

特定のターゲット製品プロファイルに基づいた、候補薬の選択を支援する物理化学分析法と専門知識
研究開発

考え抜かれたイノベーションを採用した装置

Malvern Panalyticalの装置は、複数の分野でXRFのイノベーションを推進してきました。2024年にSciApsを買収し、XシリーズハンドヘルドXRF分析装置とPowerHouse Xベンチトップシステムが加わったことにより、当社はラボ環境と現場環境の両方で、元素分析用の最先端ソリューションを提供する能力をさらに強化しています。元素分析装置はエネルギーを消費し、大量の廃棄物を発生させることがありますが、SciAps製品はポータブルで高性能なため、Malvern Panalyticalは、環境効率の高いイノベーションにより、この状況を変える可能性があります。

また、装置がいかに強力でも複雑で使いにくくなってはならないと考えているので、メソッド開発やデータ品質管理を容易にするユーザーフレンドリーな機能に投資してきました。ラボでも現場でも、当社のXRF装置を使用すれば、技術革新、熟慮された柔軟性、持続可能な性能の最適な組み合わせによりメリットを享受できます。

当社のXRF分析装置

当社は、多様な材料や用途の元素組成を分析するための、波長ソリューションとエネルギー分散ソリューションの両方を含む、幅広い蛍光X線ソリューションとXRF分析装置を提供しています。XシリーズやPowerHouse XなどのSciAps製品が加わったことにより、従来のラボ用システムに留まらず、ポータブルかつ高性能のオプションを提供できるようになりました。これらのソリューションにより、現場で高度な元素分析機能を利用できるようになりました。金属分別、鉱業探査、コンプライアンス対応スクリーニングなどのアプリケーションに最適です。

XRF分析装置の価格の詳細については、「XRF分析装置の価格について」のページを参照してください。または、以下の表で当社のソリューションポートフォリオをご確認ください。

XRF分析の利点

XRF分析は高い精度と正確性を簡単で迅速なサンプル調製と組み合わせた堅牢な技術です。高スループットの業界環境で使用するために容易に自動化することができ、さらにXRFではサンプルの定性的および定量的情報が提供されます。 

元素組成の決定

サンプルの蛍光X線スペクトルの分離(分散)、特定および散乱強度測定に使用される技術は、波長分散型(WDXRF)システムとエネルギー分散型(EDXRF)システムの2つのタイプの分光装置に分かれます。

これらの分光計の種類とその背後にある技術の詳細については、こちらをご覧ください。

XRF装置の機能について

X線生成
XRF装置には、X線を生成するX線管があります。X線管内では、電子が加速されてターゲット物質(通常はRhやAgなどの金属)と衝突して、高エネルギーのX線が生成されます。
サンプル照射
生成されたX線は、分析対象のサンプルに向けられます。X線がサンプルに当たると、サンプル中の原子と相互作用し、各元素に固有の特性X線を放出します。
検出
この装置には、サンプルから放出される特性X線のエネルギーを識別して測定することができる検出器があります。これらのX線の強度は、サンプル内の対応する元素の濃度に比例します。
解析項目
検出されたX線エネルギースペクトルは、装置のソフトウェアによって分析されます。ソフトウェアは、特性X線のエネルギーと、さまざまな元素のX線エネルギーを、既知のデータベースと比較します。この比較に基づいて、ソフトウェアはサンプル中の元素組成と濃度を決定します。ユーザーソフトウェアは、すべての元素と濃度を読みやすい表に表示し、必要に応じてさらなる分析やバックアップのために、外部コンピュータまたはローカルサーバーに送信します。

XRF(蛍光X線)主要分析装置一覧 

ルバーン・パナリティカルが提供するXRF(蛍光X線)分析装置は以下の通りです。

WDXRF:波長分散型

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Zetium(ゼティウム)  2.4KW, 3KW, 4KW

  • オールインワン設計・波長分散型XRF
  • 高感度・高分解能モデル
  • 波長分散機能以外にEDXRFやXRD、マッピング機能選択可能
  • AIを使用した分析条件作成サポート
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Zetium(ゼティウム)  1KW

  • 外部冷却水装置不要・波長分散型XRF
  • 1KW・RhターゲットX線管球付属
  • 2.4KW,3KWへバージョンアップ可能
  • AIを使用した分析条件作成サポート

EDXRF:エネルギー分散型

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Epsilon4(イプシロン4)

  • 高感度エネルギー分散型XRF
  • 高感度SDD搭載
  • C-AmとF-Amの2機種から選択
  • 真空雰囲気下に向かないサンプルも測定可能
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Epsilon1(イプシロン1)

  • コンパトエネルギー分散型XRF
  • PC内蔵でオールインワン設計
  • 1サンプルあたり100円未満の分析コスト
  • 現場に持ち込むなど高いモバイル性
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Epsilon1(イプシロン1) スモールスポット

  • RoHS/RoHSⅡ/ELV分析用エネルギー分散型XRF
  • 1mmφの空間分解能で微小分析可能
  • CCDカメラ搭載、測定サンプル観察可能
  • ファンダメンタルパラメータ法標準搭載

サンプルプレパレーション

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試料調製各種(Claisse他)

  • ガラスビード作製機
  • ICP用アルカリ分解溶融装置
  • プレスマシン(半自動プレス/手動プレス)
  • 試料粉砕機

解析ソフトウェア

当社の幅広いXRFソフトウェアパッケージは、XRF装置から最大の価値を引き出すことをサポートします。当社の卓越性に対する取り組みは、当社のソフトウェアが継続的に進化していることを意味します。当社は、お客様に最新の進歩と機能に確実にアクセスしていただくために、XRF分析技術の最前線にとどまれるよう、研究開発に投資しています。

Revontium

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要求の厳しいラボ向けに設計されたエネルギー分散型XRF。経済的な設置面積。4倍の速度。妥協のない精度。

Zetium

Zetium

高性能床置き型 WDXRF 分光計

高性能卓上XRF分析装置 Epsilonシリーズ

高性能卓上XRF分析装置 Epsilonシリーズ

卓上およびオンラインEDXRF分光計

Axios FAST

Axios FAST

高スループット同時 WDXRF 分光計

2830 ZT

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先進の半導体薄膜測定ソリューション

SciAps Xシリーズ

SciAps Xシリーズ

高精度ハンドヘルドXRF分析装置

測定タイプ
薄膜測定
元素分析
汚染物質の検出と分析
元素定量
化合的同定
技術
波長分散型蛍光X線
エネルギー分散型X線分析
元素範囲
最小検出下限
分解能(Mg-Ka)
サンプル処理