ウイルスベクターの特性評価

ウイルスベクター特性評価用のツールと技術

ウイルスベクターは、遺伝物質を細胞に輸送するための強力な送達システムであり、ウイルスが元来持つ能力を利用して生きた細胞に遺伝子コードを挿入します。アデノ随伴ウイルス(AAV)、組換えAAV、レンチウイルスなどのウイルスは遺伝子治療に不可欠であり、変異遺伝子を正常な遺伝子に置換して疾患の治療や予防ができるようになります。

その可能性を最大限に引き出すには、厳格な特性評価により、安全性、有効性、規制コンプライアンスを保証することが不可欠です。Malvern Panalyticalでは、遺伝子治療用ウイルスベクターを特性評価するための生物物理学的技術を複数ご用意しています。粒子径、ウイルス力価、表面電荷、分子量、熱安定性、構造安定性などの重要なパラメータに対応しています。

注目の技術

ゼータサイザーUltra

ウイルス粒子の粒子径分布を高分解能で測定、安定性と表面電荷を分析
ゼータサイザーUltra

NanoSight Pro

個々のウイルス粒子の正確な視覚化と計数
NanoSight Pro

MicroCal PEAQ-DSC

ウイルス粒子の完全性に不可欠な熱安定性の測定
MicroCal PEAQ-DSC

OMNISEC Reveal

ウイルスの正確な分子量と凝集を解析
OMNISEC Reveal

AAVの特性評価とrAAVの特性評価

小型で非病原性のアデノ随伴ウイルス(AAV)は遺伝子治療のベクターに最適です。 

Malvern Panalyticalでは、AAV特性評価用の生物物理学的ツールを複数ご用意しています。これらのツールを使用すると、プラーク法などの一般的な方法よりも迅速にAAVカプシドに関する知見が得られ、測定によっては同等以上に優れた精度と再現性を実現します。

レンチウイルスの特性評価

レンチウイルスはレトロウイルスの一種で、表面タンパク質を介して標的細胞の受容体に結合することにより、分裂細胞にも非分裂細胞にも感染可能です。ウイルスがゲノムを宿主DNAに組み込む能力により、持続的な遺伝子発現が可能になります。 

ナノ粒子トラッキング(軌跡)解析光散乱などの技術はレンチウイルスベクターの特性評価に極めて有用であり、純度、熱安定性、粒子径、力価に関する知見を提供します。

MVA特性評価

改変ワクシニアアンカラは、ワクシニアウイルスの弱毒株であり、もともとは天然痘ワクチンとして開発されました。改変により哺乳類の細胞の多くでは効率的に複製できなくなったため、ウイルスベクターアプリケーションに最適です。 

ウイルス力価、サンプル純度、熱安定性、粒子径に関するデータが必要な際に、ナノ粒子トラッキング(軌跡)解析と光散乱検出器を使用すると、サンプルの重要な品質特性を詳しく調べることができます。

Malvern Panalyticalが選ばれる理由

当社には、製薬会社が成功を収めたバイオ医薬品製品やナノ送達システムを市場に投入することをサポートしてきた長期にわたる実績があります。そのため、お客様の分析ワークフローを強化し、競合他社よりも迅速にイノベーションを起こすためのノウハウを持っています。 

当社の分析装置は、問題を解決する科学者集団のサポートを受け、創薬から品質管理まで継続して、お客様が抱く治療の望みを製品化するお手伝いをします。

詳細を調べる

分子量

純度の表示とウイルス凝集レベルの検出
分子量

粒子濃度

投与と一貫したウイルス効力を確保するために不可欠。
粒子濃度

粒子径

ウイルスの感染性と送達効率において重要
粒子径

ゼータ電位

細胞間の相互作用と凝集挙動を予測
ゼータ電位