水処理

効果的な水処理は、清潔で安全な水を確保するために不可欠です。このプロセスには重要な工程が複数あり、それぞれが不純物の除去と水質の確保に不可欠です。ここでは、水処理プロセスの概要と、Malvern PanalyticalのZetasizer Lab技術が、各工程においてどのようにサポートするかを示します。

1.凝固

凝固は水処理の最初の工程であり、化学薬品(凝固剤)を添加することで、浮遊粒子を不安定化して集め、フロックと呼ばれる大きなクラスタにします。このように粒子が大きくなると、以降の工程で除去しやすくなります。 

Zetasizer Labはどのように役立ちますか？ 

Zetasizer Labは粒子径とゼータ電位を正確に測定します。これらのパラメータを分析することにより、オペレータは、凝固剤の投入量とタイプを最適化し、凝固が効果的に行われるようにして化学薬品の消費量を削減できます。

2.凝集

凝固後の凝集では、水をゆっくり攪拌し、フロックがより大きく管理しやすいクラスタを形成するように促します。この工程により沈殿の効率が高まります。 

Zetasizer Labはどのように役立ちますか？ 

Zetasizer Labのリアルタイム粒子径分布測定を使用すると、オペレータはフロックの成長と形成を監視できます。このデータにより、凝集プロセスの微調整が可能になり、フロックの形成が促進され、処理の全体的な効率が向上します。

3.沈殿法

沈殿法により、フロックは処理タンクの底部に沈降し、上部の透明度の高い水から分離できるようになります。この工程は懸濁された固体の大部分を除去するために不可欠です。 

Zetasizer Labはどのように役立ちますか？ 

Zetasizer Labは、沈殿法全体を通じて、粒子の径と分布の変化を追跡できます。この情報により、最大限にフロックを除去し、できるだけ追加の処理が必要なくなるように条件を調整することで、沈降プロセスを最適化しやすくなります。

4.ろ過性

沈殿後、水はろ過されて、残りの粒子や不純物が除去されます。ろ過システムでは、砂や活性炭などのさまざまな媒体を使用して汚染物質を捕集します。 

Zetasizer Labはどのように役立ちますか？ 

Zetasizer Labは、粒子径と粒子分布を測定する機能により、ろ過媒体が特定の径の粒子を効果的に捕集できるようにします。ろ過効率を分析することで、ろ過媒体の全体的な有効性と寿命を改善するための調整が可能になります。

5.消毒

水処理の最終工程は消毒であり、病原体を殺すか不活性化して、飲用に適した水の安全性を確保します。これは通常、塩素のような化学消毒剤や紫外線(UV)を使用して行われます。 

Zetasizer Labはどのように役立ちますか？ 

Zetasizerは、消毒の有効性に影響を与える可能性がある残留粒子や潜在的な汚染物質を監視できます。オペレータは、障害となる物質が水に含まれていないことを確認することで、消毒プロセスの有効性を高め、規制を遵守できます。

水処理は複雑なプロセスで、効率と有効性に影響を与えうる課題が多くあります。Malvern PanalyticalのZetasizer Lab技術は、これらの課題を克服する上で重要な役割を果たし、処理プロセスの信頼性と効率を向上させることができます。 

共通の課題の例:

• 水質の変動
  水源の品質は、環境条件や汚染レベル、季節要因の変化により、頻繁に大きく変動します。この変動は、凝固から消毒までの各処理工程の有効性に影響を与えることがあります。
  
  Zetasizer Labは、粒子径とゼータ電位のリアルタイム分析を提供し、水質変動の正確な監視を可能にします。Zetasizer Labから粒子特性に関する詳細な洞察を得ることで、処理プロセスを迅速に調整し、水質が変動しても一貫した性能を確保できます。
  
  
• 非効率な凝固と凝集
  凝固と凝集では、特に不純物のタイプや粒子径がばらついている場合に、最適化が困難になることがあります。凝固が非効率的だとフロックの形成が不十分になり、以降の工程で効率が低下するおそれがあります。
  
  Zetasizer Labは、ゼータ電位と粒子径分布を測定する機能により、適切な凝固剤を選択し、投入量を最適化するのに役立ちます。Zetasizer Labは、フロックの特性を分析することによって、効果的な凝固と凝集を確保し、こうした重要な工程の効率を全体的に改善します。
  
  
• 一貫性のない沈殿性能
  フロックの形成が不十分な場合や微粒子がある場合、効果的に沈降しないので、沈殿プロセスが妨げられることがあります。沈殿に一貫性がないと、残留物の濁度が高まり、ろ過システムの負荷が増大するおそれがあります。
  
  Zetasizer Labは、沈殿中の粒子の径と分布を監視して評価するのに役立ちます。フロックの径と安定性に関するデータが得られるため、沈殿条件の最適化とフロックの除去が容易になり、沈殿の信頼性と効率が向上します。
  
  
• フィルタの汚れと効率の低下
  時間が経つにつれて、蓄積した粒子や不純物でろ過媒体が汚れて有効性が低下すると、メンテナンスや交換が頻繁に必要になることがあります。これにより、運用コストとダウンタイムが増加します。
  
  Zetasizer Labを使用して粒子径と粒子分布を測定すると、フィルタで捕集された粒子の性質を理解しやすくなります。この情報は、ろ過条件を調整し、媒体を選択する際の指針となり、汚れを最小限に抑えてろ過システムの寿命を延ばすのに役立ちます。
  
  
• 効果的な消毒の確保
  消毒剤の作用を妨げる残留粒子や特定の種類の汚染物質があると、消毒プロセスの有効性が損なわれる可能性があります。消毒が不適切になると、水の安全性と規制基準への準拠に対してリスクが生じるおそれがあります。
  
  Zetasizer Labは、残留粒子を監視し、水の透明度を評価する機能により、消毒プロセスが汚染物質で妨げられていないことを確認します。Zetasizer Labは、消毒に影響を与える可能性のある粒子特性についての洞察を提供して、消毒剤の使用法を最適化し、水の安全性をより高い基準へ引き上げます。

Zetasizerの測定技術によりこれらの課題に対処することで、水処理施設は、プロセス効率を高め、運用コストを削減し、高品質の水を供給できるようになります。Malvern Panalyticalの高度な分析により、共通の障害を克服し、優れた処理性能を達成するために必要な精度と洞察が得られます。

ゼータ電位測定技術は、ラボのオフライン研究や凝集／凝固プロセスの最適化に使用できます。従来の技術に比べ、以下の利点があります。

• 測定の速さ
• 使いやすさ
• 再現性 - オペレータごとのばらつきがありません

さらに、ゼータ電位測定をオンラインで実施できます。これにより、手動でデータを入力せずに定期的に監視することも、測定を自動制御することも可能です。オンラインによる継続的な測定の利点を次に示します。

• プロセスの安定性が向上
• 未浄化水と工場環境の変化にすばやくプロアクティブに対応可能
• 凝固剤のコスト削減 – 利用者の報告によれば15～20%
• オペレータの意思決定を支援する、分かりやすく正確な情報や、OPC、Modbus TCP/IP、または4～20 mAの有線信号によるデータストリームで、工場の自動管理を実現。