高分解能X線回折(HRXRD)は、おおよそ薄膜構造で、ほぼ完全な単結晶化合物の膜を非破壊分析するための応用技術を結集したものです。 この技術により解明し定量化される構造パラメータは、そのようなデバイスを研究する場合に不可欠です。
最新の半導体素子の大部分は、シリコン、シリコン-ゲルマニウム、III-V及びII-VI化合物で作製された基板上に気相からエピタキシャル成長された構造となっています。 これらの薄膜はほぼ完全な単結晶薄膜であり、転位密度の比較的低いものが含まれています。
薄膜の特性は主に、それらの組成および構造パラメータによって決定されます。 層の厚さ、組成、ひずみ、緩和、及び構造品質などの情報は、高分解能X線回折を使用したロッキングカーブと逆格子空間マップを測定することによって得られます。 欠陥の空間分布は、X線トポグラフィなどのX線回折イメージング法によって視覚化できます。
エピタキシャル層、ヘテロ構造、及び超格子系に関する高分解能X線回折実験では、明確な波長分散と低角度発散の高度な単色X線ビームが必要です。
マルバーン・パナリティカルのX'Pert³ MRD (XL)とEmpyrean システムはHRXRDの要件を満たしています。さまざまな物質に固有の解像度要件を満たすために、幅広い選択肢のハイブリッドモノクロメータと高解像度モノクロメータが使用できます。 さらに独自の2次元検出器を使用した高速1分程度の測定時間にて逆格子空間マッピング測定が可能です。独自のPreFIXマウントにより、迅速かつ容易なセットアップ変更が可能で、再アラインメントの必要がありません。
EpitaxyとSmoothfitソフトウェアにより、オペレータや上級ユーザーは、ロッキングカーブ、逆格子空間マップ、及びウェーハマップを分析できます。 ロッキングカーブは、特許取得済みのアルゴリズムを使用してシミュレートしたりフィッティングできます。