「銅ベース」(Cuベース)とは、Cuを主成分とする各種合金を示す用語です。 さまざまなアプリケーション(硬貨、鐘、各種機械装置の製造や電線など)に対応する物質を作成する場合は、一般にCuをSn、Zn、Ni、Al、Pbなどの元素と組み合わせて合金を製造します。 その製造過程には、製造時の誤差を最小限に抑え、生産効率を最大限に向上させる高速な元素分析が必要です。
CuベースFPパッケージ(該当するキャリブレーション用標準サンプルを含む)は、Malvern Panalyticalのファンダメンタルパラメータ(FP)モデルを使用することで、各種Cu合金の分析に対応します。
CuベースFPモジュールには、分析方法を簡単に設定するために綿密に選択された認定参照サンプルとアプリケーションテンプレートが付属しています。 このモジュールを使用すると、次のような広範なCuベース材料の非常に正確で精度の高い分析を行うことができます。
CuベースFPモジュールは、SuperQソフトウェアで使用されているMalvern PanalyticalのFPアルゴリズムと組み合わせて使用するよう設計されています。このアルゴリズムは、X線の物理特性に従った理論的原理からマトリックス補正を計算します。 このように、FPモデルは、従来の影響係数ベースの補正(理論的アルファや実験的補正)よりはるかに大きなメリットがあります。 理論的アルファの計算とは異なり、FPモデルは各サンプルに固有のマトリックス補正を計算します。 これにより、広範な濃度範囲と多くの異なるサンプルタイプで正確な分析を行うことができます。
Cuベースモジュールには、次のものが含まれます。
CuベースFPモジュールと設定サンプルは、ZetiumなどのMalvern Panalytical WD XRF装置と組み合わせて使用するよう設計されています。 特定のハードウェア要件が適用されます。 このモジュールは、新しいシステムに事前キャリブレーションソリューションとして提供されますが、SuperQソフトウェアを実行している既存の装置にも取り付けることができます。
対象の元素と濃度を次の表に示します。
元素 | 濃度範囲(wt%) |
---|---|
Mg | < LLD – 0.3 |
Al | < LLD – 13 |
Si | < LLD – 0.6 |
P | 0.001 – 1 |
S | 0.0013 – 0.1 |
Cr | 0.0013 – 1 |
Mn | < LLD – 2.3 |
Fe | 0.003 – 5.6 |
Co | 0.012 – 0.3 |
Ni | 0.007 – 33 |
Cu | 54.4 – 96 |
Zn | 0.013 – 43 |
As | < LLD – 0.3 |
Sn | 0.006 – 17 |
Sb | 0.005 – 0.5 |
Pb | 0.005 – 21 |
Bi | < LLD – 2 |
注記:認証された濃度がLLD値よりも低い場合には、「< LLD」で濃度範囲の下限が示されます