概要
堅牢なレーザ回折式を採用し、完全に自動化された希釈装置と組み合わせて、連続またはバッチプロセスにおいてオンライン(または手動のアットラインやオフライン)での湿式粒度分布測定を行います。 このオプションは、前段希釈装置と連続希釈装置(カスケードダイリューター)を利用して厳密かつ自動制御の試料希釈を行います。そのため高濃度のプロセス流にもご利用いただけます。
- 粒子の蓄積を防ぐために均一でよく磨かれた表面。清掃しやすい設計。
- 特定の製造仕様を満たすようにGAMP5基準に準拠。また、CIP/SIPに対応 バリデーションと 21CFR パート11 のオプション
- オペレーターの介在を不要とした、使いやすいソフトウェアと完全自動化運転
- 既存のプラント制御システムとの統合が容易
- 95%以上の高い信頼性、メンテナンスに要するダウンタイムは最低限。高い費用対効果
- 本質安全防爆仕様オプション
動作
概要
完全自動のインシテック湿式システムは、試料の濃度コントロールを行う、希釈装置も備えた、レーザ回折式粒度分布測定装置です。 それにより、手動サンプリングによるオフラインから完全自動化されたオンライン連続モニタリングおよび多変量管理まで対応できるように設計されています。
レーザ回折式の測定を行うためには、レーザー光が試料を透過できる必要があるため、濃度に上限があります。 また、レーザー光が複数の粒子と相互作用する多重散乱も問題となります。 そのため高濃度の液体や固体-液体流については希釈することが分析のための必要不可欠な要素となります。
この装置は、前段希釈装置と連続希釈装置(カスケードダイリュータ)が希釈ショックを防ぎながら、試料を最適なレベルまで希釈します。 希釈ショックとは、濃度を急速に減少したことにより、試料が不可逆的に変質する状態です。
オンラインでの測定の場合、プロセスストリームから代表サンプルを取得するには、空圧式アクチュエーターと電気制御のソレノイドによるサンプリングバルブ(サイズは 0.98、1.4、1.9、2.5cc から選択可能)を利用します。 サンプリングによりフローは連続的で、装置内のタイムラグをなくしブロッキングのリスクも減らします。 液体に触れる部品はすべて、316SS および PTFE です。
アットラインおよびオフラインのアプリケーションの場合、試料は希釈システムに手動で注入されます。
前段希釈装置は、希釈濃度制御用のエアスターラーとレベルセンサーを備えたガラスチャンバーです。 連続希釈装置は、ステージ数と内部フローノズルの寸法によって希釈率が制御される同軸ベンチュリに基づく、特許取得の希釈液方式の設計です。 これら希釈装置は、可動部を最小限にしたセルフクリーニング式で、完全に自動化されています。
希釈システムの設計は、希釈液の使用を最小限にしながら、同時に測定に適した濃度を得られるよう最適化されています。 通常、希釈液には水が使用されますが、排水を最小限にするために可能な限りプロセスで再利用されます。
試料の測定
すべてのインシテックシステムは、粒子径を迅速に測定するために、レーザ回折式を採用しています。また特許取得の多重散乱補正機能を備えており、高濃度サンプルにも対応します。 これらのアルゴリズムは、粒子の光散乱に影響を与える濃度の影響を数学的に補正するため、測定はサンプル濃度に依存しなくなります。
完全オートメーション用システムでは、本質安全防爆仕様などのオプションもご用意しております。 すべてのシステムは、1 秒以内に粒子径を測定します。 希釈装置を利用することにより、信頼性が高く、タイムリーで完全な粒度分布を報告します。 そのため、プロセスを制御するための重要な情報を提供します。
データ説明と使用
インシテックシステムは、プロセスプラント内に組み込まれます。 そしてインシテックは中央管理室から操作され、測定結果が日々のプラントコントロールの決定の要素となります。 強力なソフトウェア パッケージによって、一体化とデータ解釈を簡単にします。
Malvern Link IIソフトウェアは、お客様がお使いの既存の制御システム内でインシテックを統合し、プロセス制御を自動化するためのソフトウェアです。 Malvern Link II ソフトウェアにより、専用 PC または制御パネルからオンライン・インライン粒度分布測定機の操作が可能です。 特に重要な点としては、Malvern Link IIはインシテックのインテグレートだけでなく、 他の種類の装置との一体化も容易にして、多変数制御も行えます。
マルバーンのRTSizerソフトウェアは、明確で利用しやすい方法で測定データを提供します。 お客様のご要望に合うように、測定結果のレポートをカスタマイズすることが可能です。 インシテックの測定データは以下の場合にご利用いただけます。
- プロセス状況の理解をより向上する場合
- 異常値の即時検出の実現
- 包括的なプロセス最適化のサポート
- 自動プロセス制御
インシテックでは、3-30μm の微粒子や、200μm 以上の粒子などさまざまな粒子群の粒度のモニタリングと制御が可能です。 最適化されているプロセスの手動制御方法をさらにインシテックは促進し、プロセス制御の完全自動化を可能にします。それにより、費用対効果も見込まれます。
仕様
システム
測定タイプ | 粒子サイズ |
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測定範囲 | 0.1 ~ 2500 µm |
測定原理 | レーザ回折法 |
光学モデル | Mie 理論 |
精度 | ±2%(検証レチクルによるDv50) |
一般
電源 | 100/240V |
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筐体等級 | IP65 |
動作プラットフォーム | 10 bar(g) |
ソフトウェア | RTSizer (装置制御用) Malvern Link II (システム自動化およびデータリンク用) |
機器と PC の最大距離 | 500m(光ケーブルを使用した場合、最大 2km) |
使用環境
温度 | 10 ~ 70℃ |
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湿度 | 35 ~ 80%(結露なし) |