このテクニカルノートでは、Creoptix WAVEにより、高感度グレーティング結合干渉法(GCI)技術で拡大された検出領域を測定し、大型の標的と検体の分子量(MW)比(>300:1)の結合反応速度を正確に監視する方法について説明します。
小分子と薬剤標的間の相互作用をリアルタイムにラベルフリー解析することで、創薬プロセスをガイドし、有望な薬剤候補を特定するための貴重な情報を得ることができます。ただし、弱いバインダーと大型の標的検体分子量(MW)比では、高い感度と高速オフレート(koff)を確実に測定する能力が必要になることが多いため、反応速度特性評価が極めて困難になる可能性があります。
Creoptix® WAVE は、独自の 高感度グレーティング結合干渉法(GCI) によってクラス最高レベルの感度を発揮し、低信号レベルでも高精度の動的データを生成できます。堅牢なマイクロ流体技術と組み合わせたGCIを使用することで、アセトニトリルや高濃度のDMSOなど、一般的ではない溶媒存在下で分子相互作用の特性を評価できます。
炭酸脱水酵素II(CAII)の各種小分子阻害薬の結合反応速度を測定することで、Creoptix WAVEが、標的検体分子量比に関係なく、弱い結合の微小薬物分子に対して完全な動的特性評価を行うために、卓越した分解能を発揮する方法について説明します。
1 フロセミド | 2 4スルファモイルベンゼ酸 | 3 スルファニルアミド | 4 メチルスルホンアミド | 5a アセタゾールアミド | 5b アセタゾールアミド | |
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MW(Da) | 330.74 | 201.20 | 172.20 | 95.12 | 222.25 | 222.25 |
不動レベル(pg/mm2) | 6050 | 6050 | 6050 | 6050 | 6050 | 1450 |
動的データ | ||||||
Konon (M-1.s-1) | 3.75x1044 | 2.98x104 | 2.67x104 | 1.15x104 | 1.31x106 | 1.22x106 |
Koffoff (s-1) | 0.051 | 0.040 | 0.180 | 3.37 | 0.038 | 0.031 |
km | - | - | - | - | 1.17x107 | - |
Rmax (pg/mm2) | 30.87 | 16.91 | 12.09 | 3.79 | 13.25 | 4.59 |
KD (μ m) | 1.4 | 1.3 | 293 | 293 | 0.029 | 0.026 |
平衡データ | ||||||
Rmax (pg/mm2) | 33.37 | 14.57 | 11.75 | 3.34 | 14.05 | 4.83 |
KD (μ m) | 2.4 | 3.8 | 6 | 270 | 0.048 | 0.028 |
表1: 炭酸脱水酵素II (CAII)の各種小分子阻害薬の動的および平衡データ