現在プリンター等で用いられているインクには、染料インクと顔料インクの2種類が用いられている。顔料インクは染料インクに比べ、耐水性、耐光性、耐ガス性に優れているが、インク粒子が大きい為、用紙表面の凹凸が粗くなり、光沢感が出にくいなどの短所がある。この短所を補う為に、顔料インク粒子をナノサイズに微粒化することや、樹脂を用いてカプセル化するなどの改良が検討されている。
・・・続きはログイン(会員登録)することでお読みいただけます。
現在プリンター等で用いられているインクには、染料インクと顔料インクの2種類が用いられている。顔料インクは染料インクに比べ、耐水性、耐光性、耐ガス性に優れているが、インク粒子が大きい為、用紙表面の凹凸が粗くなり、光沢感が出にくいなどの短所がある。この短所を補う為に、顔料インク粒子をナノサイズに微粒化することや、樹脂を用いてカプセル化するなどの改良が検討されている。
ここでは、微粒子化された顔料インクの評価方法として、動的光散乱法(Dynamic Light Scattering:DLS)(ゼータサイザーシリーズ)を用いて、粒子測定を行なったので報告する。
動的光散乱法(Dynamic Light Scattering、以下DLS法と略す) とは、粒子の散乱光の変動から粒子径を求める測定方法である。粒子の散乱光強度の変動は、粒子のブラウン運動と関係しており、ブラウン運動は粒子の大きさに依存している。よってDLS法は、ブラウン運動による粒子の散乱強度の変動から拡散係数を求め、Stokes-Einstein の式を用いて、粒子径を算出している。
DLS法を用いて粒子径を測定する際に重要なファクターはサンプルの粘度である。測定用サンプルの粘度が高すぎると、粒子の大きさに依存したブラウン運動ができず、正確な粒子径は求めることができない。この場合は希釈してサンプル粘度を下げ、サンプル中の粒子が大きさに応じたブラウン運動できるようにする必要がある。
顔料インク測定結果は、アプリケーションノートをダウンロードしてご覧ください。