モフォロギG3-IDは、薬物および希釈剤(賦形剤)の各化学物質の割合を自動的に定量化します。これにより、街角で取り引きされる違法薬物の確実な「指標化」を実現し、違法薬物ディーラーや入手元を突き止めることができます。
街角で取り引きされる薬物という意味合いで考えれば、「粗悪化」とは、違法薬物の効果を維持または強化するために違法薬物に他の薬理的活性物質(例;カフェイン、クレアチン、リドカイン、フェナセチンなど)を配合することです。。 一方、「希釈」とは、ディーラーの利益を伸ばすために、薬理的に効果のない糖(ラクトース、スクロース、グルコース)などの物質を違法薬物に添加することです。
ヘロイン、アンフェタミン、コカインなどの薬物は多くの場合、さまざまな不純物を混ぜたり、希釈剤で薄めたりします。それにより、薬物の量が増えたように見えるため、ディーラーの利益が伸びます。 これらは独自でも、違法薬物と組み合わせてでも毒性を強める可能性があるため、こうした物質の識別は重要です。 きわめて重要なことに、ドラッグ・ディーラーがこうした不純物や希釈剤を使用し、薬品の純度や効果に予想外の影響が及ぶことにより、薬品を摂取すると命にかかわる可能性もあります。
こうした物質の特性評価は、複数の試料を関連付ける比較解析をサポートする上で重要になります。 希釈剤の詳細な知識と理解はまた、違法薬物の流通ルートに関する情報を提供し、犯罪者を処罰できます。
モフォロギG3-IDは、乾燥粉体、液体、クリームなどのさまざまな試料タイプを対象に1µm~1000µmのサイズ範囲で粒子径、粒子形状、化学的同定による解析結果を提供します。 分散された粒子をスキャンし、高度な撮像系を使用して高精度な各粒子の画像を取得します。 システムは、分散された試料の中で自動的に粒子を認識・選択し、各粒子のラマンスペクトルを取得します。これにより、各成分の母集団という単位で粒子を分類し、グループ化できます。 扱いやすく設計された全自動装置のため、分光分析の経験が少ない粒子特性評価の研究者・ユーザーでも、特定の試料を詳細に解析できます。
本事例では、アスピリン、パラセタモールを含み、不明な物質(希釈剤)が追加された市販の風邪薬を、モデル試料として使用しました。
次の図では、モフォロギG3-IDを使用した特性評価のワークフローを示します。
薬物および希釈剤(賦形剤)の各化学物質の割合を自動的に定量化することで、街角で取り引きされる違法薬物または偽造薬の確実な「指標化」を作成し、薬物ディーラーや入手元を突き止めることができます。 モフォロギG3-IDのテストは非破壊的であるため、試料を元の形に完全に復元し、必要に応じて以降のテストでも使用できます。
モフォロギG3-IDの粒子形態解析機能を使用すると、円形度や伸長度の違いに基づき、グレードの異なる希釈剤のわずかな違いも識別できます。これにより、現場の試料を入手元や流通経路に結び付けることができます。